高校生の皆さんの多くの方にとっては、アルバイトを除いて、初めての就職(採用)面接になると思います。
採用面接への対策は、高校の進路指導で充分に受けていること思いますので、今回は、面接の細かい受け方や想定質問等についてではなく、面接に臨むにあたって忘れがちな点について、皆さんを応援する気持ちで、私の考えを少し記載します。
ご参考になれば、嬉しいですね。
1. 面接で大切なこと
1-1 面接官とのコミュニケーション
高校の進路指導では、過去の卒業生が残していった受験企業の面接内容記録や一般的な面接での質問項目などを基にして、面接での想定問答対策はしっかり行っていると思います。志望動機、希望の仕事について、自己PR、高校生活で頑張ったこと、得意なこと、応募前職場見学等で会社を見学してどう思ったか、希望している仕事内容のイメージは? 仕事をするうえで大切だと思うことは? 等々、、、。
また、服装、身だしなみや挨拶などのマナーについても、進路指導で、事前対策をしっかり行っていると思います。
共に、事前対策はとても重要です。可能な限り、しっかり準備されていくことをお勧めします。
そういった対策・準備をしたうえで、のことなのですが、次のことは是非今一度認識しておくといいと思います。
面接では、人と人が接して話をするわけです。人と人が話をするうえで大切なことは、
です。
しっかり事前対策していくのは大変いいことですし、しっかり準備・練習しておくことが有効なのは言うまでもありません。しかし、実際の面接では、想定していた質問項目と全く同じ質問が出るとは限らず、想定とは若干異なった質問内容であることもあり得ます。
高卒採用面接でありがちなことは、面接官が聞いている内容、聞きたい内容が、想定していた質問とは若干、というか、普通に異なる場合でも、準備してきた想定質問の回答を、そのまま回答したり、準備してきた回答に強引に寄せて回答していることです。
確かに面接の場ですので、緊張してしまうのも理解できます。しかし、ほんの少しだけその場で頭を働かせれば、普通に回答できたり、準備してきた回答を若干変更して回答できると思われる内容がほとんどなのですが、緊張からか、明らかに面接の場で考えること、頭を働かせることを放棄してしまっているような場合が散見され、大変もったいないと思うことがあります。
そして、受験者が、聞いている内容を回答していないために、面接官がフォロー的に質問をしても、前の回答との整合性が気になるのか、あまり修正できないようです。
こういった場合、評価時に、「質問している内容に答えていない」「聞いている内容について理解できているのか」と理解力、コミュニケーション能力に疑問を持たれかねません。
また、高卒採用では、学校側の指導もあってか、「元気よく、大きな声で」挨拶し、面接に臨む生徒さんが多いです。「元気よく、大きな声で」は基本的には良いことであると思いますが、これも、「人とコニュニケーションを図る」ことが目的です。ボソボソとした小さな声は、相手が聞き取りにくいであろうし、自信が無さそうに見えるので良くはない、ということの裏返しで、「元気よく、大きな声で」ということであると思います。
ですから、少し表現としてはオーバーになるかもしれませんが、叫ぶくらい大きな声で、面接官が耳障りになるぐらいの声量で質問事項に答えていると、評価時に、逆に「空気読めないのか? TPO大丈夫か?」となりかねませんし、実際にそう判断されることもあります。
受験する企業の採用傾向や文化によっても評価ポイントは変わりますので、一概には言えませんが、極端に大きな声が高評価になるという確証がある企業を受験する場合は別として、一般的にはコミュニケーションを中心に据えたうえでの「元気よく、大きな声で」面接に臨まれるといいかもしれません。「大きな声を発する」ことが、面接の目的ではないことは認識しておくべきでしょう。
2つの例を用いてお伝えしたかったのは、第一に面接は「人と人とのコミュニケーション、意思疎通を図る場である」ということです(その上でマッチングを行うわけです)。
面接官が質問している事項に対して、自身の考えや希望、実績・事実を伝えることが大切です。
対策・練習はあくまで採用面接本番で面接官とコミュニケーションを図るための練習です。採用面接本番では、練習した通りに暗唱、回答することが目的ではありません。その時々の面接官の質問に合わせて回答することが大切です。
新卒採用面接では、一般的に質問事項が一定範囲内に限られる傾向があり、想定した質問通りの質問が採用面接の場でなされることも多いので、事前の対策は大変有効です。ただ、100%全く同じ質問、準備していた質問だけであるとは必ずしも言えません。面接にあたっては、その場で頭を働かせ、面接官と意思疎通を図るよう心掛ければ、事前練習の効果も一層でてくるのではないでしょうか。
上記に記載したことを含め、参考になりそうなことをまとめておきます。皆さんが面接の場で、ご自身の能力を発揮されることを応援しています。
- 面接官との意思疎通を図る
- 焦らない、オドオドしない
- 事前準備・対策はしっかり行う
面接官が質問している内容をしっかりと聞き、質問している事項について回答するよう心掛けましょう。面接官と話をするという気持ちを持っているといいかもしれません。単に準備してきた回答を暗唱したり、単に大き過ぎる声量で回答することが面接の目的ではありません。
緊張しすぎると、自身の良いところが出ないだけでなく、メンタル面大丈夫? という評価を受けかねません。結果を良くしようと思い過ぎると緊張しやすくなると思います。結果を良くしよう、と思い過ぎることなく、まずは、面接官とのやりとり、会話をしっかり行うことを心掛けましょう。そうすれば、少なくとも面接官とのコミュニケーションは成立する可能性は高くなると思います。
想定される質問事項に対しては、しっかり準備・練習して面接に臨みましょう。その上で、面接の場で、頭を働かせながら面接官との意思疎通を図るよう心掛けましょう。また、身だしなみについても確認しておきましょう。
- お茶等の飲み物は持っていきましょう
当日の飲み物は、試験会場到着前迄に、念のため用意していきましょう。試験会場に行った後では、購入のタイミングが意外になかったりすることもあります。